カーボンブレードの交換目安について カーボンブレードはどのくらいの周期で交換すべきか 停止してからでは遅い理由 真空ポンプの保守業界では、カーボンブレードは「最も消耗が早い部品」として広く認識されています。コストを抑えたいという理由から、「まだ使えるから交換しない」と判断されるケースも少なくありませんが、実際にはブレード破損やローター固着が発生してから対応すると、 数万円の部品費を惜しんだ結果、数十万円規模の修理費が発生する という事例が非常に多く見られます。まだ使えるという思い込みが、結果的に最も高くつく修理を招きます。これまで数多くの現場を修理してきた経験から導き出した、「ポンプを壊さないため」の3つの判断基準をまとめました。 24時間運転4~6か月 8時間運転1~1.5年 摩耗の判定20%~30% 業界一般の目安値(理論寿命) 乾式真空ポンプ用カーボンブレードの理論寿命は、一般的に 2,500~5,000時間 とされています。重要判断基準 👉初期高さから20~30%摩耗した時点で交換❓なぜ「20~30%」が基準なのか? 30%を超えた摩耗域では、リスクは徐々に増えるのではなく、急激に増大する傾向があります。 ブレードが短くなると、以下の現象が同時に発生します。 🧱 密着力の低下 ポンプ室壁との有効接触線が短くなり、真空度が不安定になる。 ⚖️ 姿勢の不安定化 ローター溝内でブレードが浮き上がり、揺動が発生。 🧨 横方向せん断力の急増 欠け・破断の直接的要因となる。 新品時:受力が均一で、安定した線接触摩耗摩耗30%超:有効接触長が短縮し、遠心力の作用腕が低下高回転時にポンプ室を叩く挙動が現れます、このとき発生する異音は、すでに構造的な警告サインと考えるべき状態です。 実際の破断事故の約90%は、「まだ使えているが、すでに短くなりすぎた状態」で発生しています。30%は「遠心安定性の限界点」カーボンブレードは遠心力によってポンプ室壁へ押し付けられます。⚠️ 上記数値は試験環境でのデータです。実際の運転条件(粉塵、温度差、電圧変動など)により、寿命は短くなる傾向があります。 運転時間に関わらず、即刻点検・交換すべき「3つの末期症状」 真空ポンプに以下のいずれかの症状が現れた場合、運転時間が2,500時間に達していなくても、直ちに運転を停止し、カーボンブレードの状態を点検してください。🌀真空度の低下ブレードの摩耗により全高が短くなると、ポンプ室壁面への密着性が低下し、気密性が確保できなくなります。その結果、設計値どおりの真空圧に到達しなくなります。⚡電流値の異常上昇摩耗によって発生した大量のグラファイト粉末がローター溝内に堆積すると、回転抵抗が急増します。これによりモーター電流が上昇し、ポンプ本体が明らかに発熱する状態になります。🔊 異音・振動の発生ポンプ内部から不規則な「カタカタ」「コツコツ」といった打撃音が聞こえる場合、カーボンブレードの欠け、または破断がすでに始まっている可能性が高い状態です。👉 これらの症状はすべて、「まだ動いているが、内部ではすでに限界を超えている」ことを示す明確な警告サインです。